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「好き」になってもらうには?『「好き」の設計図』

satoshi.nikaidou

ブランディングについて著された本書。

企業を、企業の製品のブランディングだけでなく、個人のブランディングについても学べる、考えさせられるとてもためになる一冊。

おすすめです。

「好き」の設計図』の著者

著者は関野吉記さん。

株式会社イマジナ 取締役社長

15歳で単身アメリカに留学。その後イギリスに渡り演出家として学びを深め、イタリアで演出の仕事に携わる。その後、ビジネスの領域に転換、演出の場を舞台から企業へとシフトし投資部門に出向、アジア統括マネージャーなどを歴任した。これらの経験を通して経営における企業ブランディングの必要性を痛感し、26歳のとき、NYで株式会社イマジナを設立。世界では一般的な「インナーブランディング」を日本の文化にアジャストし確立させた。社員の誇りを醸成する組織戦略に、舞台演出で身に付けた「魅せ方」の手法を結びつけ、アウター・インナーを網羅したブランドコンサルティングで、すでに2,800社以上の実績を挙げている。近年は社員共感型ブランディングを推奨し、企業の核となる管理職や若手の育成に力を入れ、「人材に投資することが当たり前になる社会をつくる」ために、日本企業のグローバルブランド化を推し進めている。(Amazonより)

「好き」の設計図』で覚えておくこと

「いい商品だったら売れる」「地道に真面目に活動していれば顧客はわかってくれる」、このような発想では、競争が厳しく変動の大きい環境で企業は生き残れない。(P2)

だからブランディングが必要。

そのブランディングの最終目的は「好き」になってもらうこと。

思考停止に陥ったら、ブランディングなどできない。なぜなら、ブランディングの答えは、考えることでしか発見できない(P47)

どんなに素晴らしいホームページを作っても、それを読んでもらわないと伝わらないわけなので、どうやったら読んでもらえるかを必死に考えることが重要。

欧米人は、自分をより魅力ある人間に見せることにものすごく自覚的だ。私はアメリカで人を採用したことがあるが、あちらでは誰もが1の実力を平気な顔で10というから油断ならない。(P61)

彼らは初対面で高く評価してもらった方がチャンスが広がると信じている。入社後に活躍できるかは入ってみないとわからない。足りない分は入社後に努力して埋めればいいし、問題が起こったらそのときにまた考えればいいということ。

覚えておこう

・「好き」になってもらうのがブランディングの最終目的(P7)

・誰かに「これを知らしめたい」「このことだけはわかってほしい」と思うなら、どうやったらそれが伝わるか必死で考えること(P27)

・手がかりがなくて困ったときは、イケてるヤツの真似をして原理原則を発見する(P54)

引用

ホームページをしっかり作ったのだから、それをたくさんの人に読んでもらう工夫や、読みたくなる仕掛けを作らないといけない

社長や役員、あるいは広報のような特定の部門だけがどんなにがんばっても、ブランディングはうまくいかない。トップから昨日入社した社員まで全員がそれを理解し、すべての部署が連携することで、ブランディングは初めて完成し、有効に機能する(P45)

とくに海外市場に新規参入する際は予断を持たずにただ真似る

「自分たちが伝えたいこと」ではなく、「相手がどう感じ、どのようなイメージを抱くか」のほうをより考えるべき(P61)

相手にどういうイメージを持ってもらいたいのかを考えるのが、ブランディング戦略である。(P63)

「未来への投資」というのがブランディングの本質(P63)

投資金額を短期で回収することしか頭にないと、効果的なブランディングはできない(P66)

ブランディングにはアウターブランディング(対外的に広めていく活動)とインナーブランディング(採用、教育、福利厚生、評価制度といった企業内のすべての部門や活動を連動させながら、社内にひとつのブランドイメージを構築する活動

海外だと、人事というのは、本社ではなくたいてい事業部ごとに置かれている。「自分たちの事業に必要な人材は、自分たちで選んで採用しろ」と人事に関する権限が各部門に委譲されているのだ。(P98)

そこで働く理由がお金で、時給で雇われている人なら、「できるだけ働かないほうが得」だからである。(P106)

イマジナ流ブランディングの5つの手順

1、ブランドコンセプトの明確化:ブランドイメージの核となるのは、やはりトップの想いだ
2、ブランドの具現化:ブランドに込められた想いを、さまざまな形で常に社員の目に触れる場所に見える化しておくことが重要
3、ブランドを浸透させるための社内環境づくり:社外に発信する前に社内の隅々まで浸透させる作業を先に
4、ブランドイメージの浸透度を可視化
5、共感を生み出すコンセプトやストーリーを社外へ発信

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