飲食店に勤める人必読の書『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』
表紙やタイトルのチープさから敬遠すると損をする、何も考えず飲食店で働いてしまっている人たちにとって超基本的で、そして超重要なことがすべて詰まっている一冊でした。
古い本ですが、今はこれにオンライン上の販促をプラスするだけしか変わっていない気がします。
ある程度分かっている人も、基本に立ち返るべく読むべき一冊だと思いました。
『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』の著者は
著者は木村康宏さん。
(株)繁盛塾代表取締役。1999年、学習院大学卒業。在学中は、コンサルタントとして著名な江口泰広教授に師事。その後、約2年間のフリーター生活を経て、(株)船井総合研究所に入社。チーフコンサルタントとして活躍。2010年、同社退職後、ラーメン業界専門の経営コンサルティング会社(株)繁盛塾を設立。これまで超有名店を含む300社1500店舗以上のラーメン店の経営に携わる。年間600杯以上のラーメンを食べるラーメンフリークでもある(本書より)
目次
序章:職人が握る寿司屋よりも、回転寿司がブレイクしたのはなぜか…
第一章:美味い商品は売れない!美味しくない商品の方が売りやすい!の秘密…
第二章:弱者が強者に勝つための秘訣…
第三章:ボロい店の方が美味いという都市伝説は本当なのか?…
第四章:店が変わった分しか、売上は上がらない…
第五章:お客さんもスタッフも、人が集まるところに集まる…
第六章:すべてはお客さんに伝えるためにある…
第七章:お客さんがベルトコンベアに乗って流れてくる仕組みはあるか?…
最終章:なぜまずいラーメン店にも行列ができるのか?…
『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら』を読んで覚えておくこと
お客さんに『ああ、この店はあの店より上だな』と思わせるポイントは、競争相手の1.3倍の力を持つこと
P63
人間は1.3倍になるとそれが他と比較して明らかに違うと気づくということ。店舗の経営、運営側にいると少しの差があるだけで、大きな差があるように感じてしまいがちなので、覚えておきたいことです。
食べて『美味しかった』という店よりも、ここで食べて『よかった』という店をつくること。それが『料理』から『商品』に変わることなんです。
P97
飲食店で働くと思うのが、多くの人がうちの店は他の店より価格の割には他よりずっとおいしいと思っているということ。美味しいというだけではだめで、美味しいというのは売れるための一要素にすぎないということ。
引用
短所是正では売上は上がりませんし、成功は生まれません(P31)
成功する人には共通して三つの要素が必ず備わっている
①素直
②プラス発想
③勉強好き
料理にターゲットと購入魅力が加わると商品になる
マーケティングの基本は、今までのお客様に新しい商品を売るか、新しいお客様に今までの商品を売るか。この二つの成功率が高いんです(P100)
コンセプトをどう五感で表現するか考える(P121)
業界の常識、お客様の非常識(P123)
大切なのは、何が起きたのかではなく、そのことが何を教えてくれるために発生したのか?それを考えること(P124)
業績が下がる企業の80%は、内部要因がその原因である。内部要因のうち、業績が下がる原因の80%はトップの経営情熱の欠如である。
二対六対二
よく働く蟻、普通の蟻、怠け者の蟻の割合
よく働く組織にするにはよく働く蟻をもっと働かせること、そうすると普通の蟻はそれにつられてもっと働くようになり、怠け者の蟻はついていけなくて脱落する
売上は結果なのです。結果を大きく変えるためには、行動を大きく変えるしかありません。(P184)
やる気の法則
嫌々やった場合が1の効果だとすると、説明を受けて納得してやった場合がその1.6倍の効果、自分から率先してやった場合の効果は、さらに1.6倍の効果になる。
売上をあげるときのセオリーは、客単価を下げてでも客数を増やすことにあるからだ。業績を上げられない経営者の多くは、これを客単価から上げようとしたがる。(P206)
今の売上は三か月前の営業が決めている(P211)
ウォールマートの基本的な考え方は『お客様に関係ないことにはとことんお金を使わない』ということ(P269)
商売で一番大切なこと。それは新規客を獲得すること以上に、その新規客として来店してくれた人にリピートしてもらうこと(P281)
「美味しい」というのは商売全体で考えると「売れるための条件の一つ」に過ぎないのです(P282)
優秀な現場では仕込みが80%終わった状態で入らないと仕事にならない(P292)