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「まず考えろ、語るのは最後だ」、「問え。語るな」『ドラッカー全教え』

satoshi.nikaidou

ドラッカー好きな人は多いと思う、会社の社長の本棚にドラッカーの本が置いてあるのもよく目にする。

しかし、顧客中心を実際に実践できている経営者はどれくらいいるのだろうか…

ドラッカー全教え』の著者

ウィリアム・A・コーエンさん。

ピーター・ドラッカー本人が策定に関与した博士課程の第1期卒業生。ドラッカーに師事したことで人生が変わったという。卒業のすぐあと空軍に戻り、最終的に少将まで昇進。その後は、元指導教官のドラッカーと生涯にわたる友情を育みつつ、大学教授、経営コンサルタントとして活躍。著書も50冊以上出している。
2009年にはドラッカーの学校であるクレアモント大学院大学から優れた功績を挙げた卒業生として表彰される。また、その2年後には、ドラッカーの手法をベースとして、修士号を比較的安価に提供することをミッションとした非営利組織、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アドバンスト・マネジメントの創設にかかわる。(帯より)

目次

Chapter1 実践なくして成果なし――現場から学ぶべきこと
Chapter2 自分の頭で考える――ドラッカー流思考法
Chapter3 歴史書を読む――生涯学び続ける
Chapter4 正しい目を持つ――問題解決に必要な七つの能力
Chapter5 営業はいらない――何よりもマーケティングを優先する
Chapter6 倫理と真摯さ――どんな自分でありたいか
Chapter7 自分に問う――五つの基本的な質問で問題を客観視する
Chapter8 常識にとらわれない――「みんなが知っていること」を疑う
Chapter9 最速の問題解決法――無知は最強の武器になる
Chapter10 調べてから勝負する――適切なリスクを見極める
Chapter11 観察し、分析せよ――結論から理論を構築する
Chapter12 自信を持つ――成功の絶対条件とは
Chapter13 変化し続ける――成功体験にしがみつかない
Chapter14 考え続ける――イノベーションを実現する
Chapter15 人に限界などない――優れた人事のポイント
Chapter16 成功のカギをにぎる8項目

ドラッカー全教え』を読んで覚えておくこと

みんなが知っていることは、たいがいまちがっている

P127

昔の制度で、71人の裁判官が満場一致で死罪と判断したら、被告人は無罪放免となる制度があったという話が非常におもしろかった。
みんなが一つのことをいうのは疑わないといけない。

成功するためには自信が不可欠なのだ。

P203

自信がとにかく大事だというのも忘れてはいけない。
自信を持つ方法として、毎日コンフォートゾーンの外で何かをするとも書かれていた。
過去に経験したことがないこと、やりたくないこと、ちょっと不安なこと、得意ではないことになんでもいいからチャレンジすることがあげられていた。

覚えておこう

・「独り言」でほとんどの問題は解決する(P114)

・ドラッカーが読んでいたのは、新聞と大量の歴史書だそうだ。(P58)

・成果についてドラッカーは数字を求めた。(P122)

・自信はすべての基礎である。(P203)

・常識を疑う

引用

ピータードラッカーは現代経営学の父というだけの人物ではない。
彼は、現代的マーケティングの分野を切り拓いたひとりでもある。
40年以上にわたり、「企業が中心とすべきは顧客である」と経営者に説き続けたのだ。(P3)

私は、ピーターがが企業に問いかける4つの質問がすごいと思った。

  • 自社の中核をなす事業は何か。
  • 顧客はだれか。
  • 顧客はなにに価値を見出すのか。
  • 中核事業でどういう成果をあげるのか。

マーケティングの目的は営業を不要にすることだ

ドラッカーは、軍事史や軍隊の手法を学ぶのが好きだった。彼は、言語学、歴史学、社会学、心理学、哲学、文化、宗教など複数分野にまたがる教えをコンサルティングに活用していた。(P52)

偉大なコンサルタントに必要な能力

  • 関係者全員と連携する能力
  • 問題を正しく診断する能力
  • 適切な対策を見つける能力
  • 専門的なノウハウと知識

ドラッカーは、問題解決において「知識や経験」より「無知」を活用すると述べている。彼が問題解決でいちばん大事にしていたのは「やり方」なのだ。別に難しいやり方である必要はない。望ましい結果となるように「うまく演出する」くらいに考えればいいだろう。(P74)

  • コミュニケーション能力

よいコンサルタントの条件を三つ挙げている。驚かれるかもしれないが、彼がトップに挙げたのはコミュニケーション能力である。続く2番目が分析能力、3番目がプレッシャーのかかる状況でも仕事ができる力、だ。(P75)

  • マーケティングと営業の能力

マーケティングは戦略で営業は戦術だと言えばいいだろう。(P75)

  • 管理の能力

どのような組織であれ、組織の全面にマーケティングが浸透していなければならないと考えていたのだ。(P77)

ビジネスはイノベーションとマーケティングというふたつの機能が基本だとドラッカーは考えていた。(P78)

顧客にとっては、製品やサービスが提供されているというだけでは不十分で、それを買う理由が必要である。(P79)

見込み客が望むモノを用意するため顧客を中心にすえるのがマーケティングなのだ。

対して営業は、在庫してある製品やサービスを中心とし、在庫品を買うようにと顧客を説得することである。(P82);

問題解決には独り言が効く、自分の頭と実際に会話し、最終的な回答に至る方法がいい

ドラッカー5つの質問
1、我々のミッションは何か
2、我々の顧客は誰か
3、顧客にとっての価値は何か
4、我々にとっての成果は何か
5、我々の計画は何か

情報源は最初までさかのぼる(P139)

リスクは避けられないし、それどころかあったほうがいい場合もあるというのがドラッカーの立場だった。(P166)

ミス削減を基本の目標にすると、リスクを回避するようになり、進歩がなくなる。(P271)

本書は、ドラッカーならこうしたであろうというやり方で締めたいと思う。―「おもしろかったなんて感想はいらない。週明け、いままでと違うことをすると言ってくれ」である。(P290)

我々は、「まず考えろ、語るのは最後だ」、「問え。語るな」というピーターの言葉をいまも心に刻んでいる。(P293 フランシス・ヘッセルバイン)

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