すごいと思わせるのはいいけれど『世界でいちばん透きとおった物語』
社会人が小説を読むとなるとどうしてもどこかでおすすめしたものを読むことになってしまう。
だから書評なんかがあるのだろう。
学生の時は時間があって片っ端から読んでいたから、自分が面白そうと思ったものを選んでいた。
若干寂しさを感じる。
『世界でいちばん透きとおった物語』の作者は
杉井光さん。
電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006年電撃文庫「火目の巫女」でデビュー。その後電撃文庫「神様のメモ帳」シリーズがコミカライズ、アニメ化。ライト文芸レーベルや一般文芸誌で活躍。他の著書に「さよならピアノソナタ」シリーズ、「楽園ノイズ」シリーズ、「終わる世界のアルバム」、「蓮見律子の推理交響楽比翼のバルカローレ」などがある。(本書帯より)
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『世界でいちばん透きとおった物語』のあらすじ
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。
女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。
宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。
「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」
奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、僕は父の複雑な人物像を知っていく。
やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着く――。(Amazonより)
『世界でいちばん透きとおった物語』の魅力
本書の魅力は何をおいても、タイトルが意味することは何かということです。
読中気づく人もいるのでしょうが、僕は最後の最後まで気づきませんでした。
そのきれいな話が本書の何よりの魅力です。
ただ、そういう意味ではストーリーや主人公のキャラクターにあまり魅力を感じなかったかも。